上京してわかった、Web制作の東京と大阪での違い

上京してわかった、Web制作の東京と大阪での違い
2017年1月22日

こんにちは平尾誠です。
私は30歳を目前に東京にフロントエンドとして上京してきました。
今回は大阪に限らず、地方から上京してきたWebデザイナー・エンジニアのメリットとデメリットをまとめました。
完全に私が体験したことなので、みなさんにあてハマるかどうかはわかりません。
ですが、一般的に言われていることも多いので、間違ってはないはずです。

さっそく、まずは東京に上京したデメリットから

東京で働くデメリット

チームワークよりスタンドプレイ

これは気性の違いでしょうか。
東京は足並み揃えてチームプレイって感覚がとっても希薄です。

大阪って良くも悪くも、おせっかいなので横のつながりをとっても大切にします。
県民性なのでしょうね。
その反面みんな巻き添えを食らうこともありますが、東京では個人プレー丸出しの人が多いように思います。

スペシャリストが育ちやすく、大切にされる風土なのかもしれません。
逆に地方都市では広く浅くこなせるジェネラリストが多いように思います。

私も大阪ではディレクション・撮影・デザイン・コーディングをしていました。
地方ではそんな人が珍しくないです。

広告代理店に振り回される

デザイン事務所ではない、企業に入ると、東京では大手代理店の下請けの孫請けのひ孫請けの協力会社の・・・みたいな仕事がゴロゴロしています。

デザインの確認をお願いしますってなると何日も返ってこなかったり、ギリギリでめっちゃ返ってきたり、クライアントもしかり代理店までが忙しすぎて、対応できてなくてレスが遅いってことが往々にあります。

なかには大手広告代理店には、担当者がとっても偉そうにしているところもあります。

通勤電車がパンパン

これは想像以上です。人と人の間で体が浮きます。
小池百合子さんが電車を二階建てにしたいのはとってもわかります。
御堂筋線の7:30の1.5倍の人の量が10時頃まで続きます。
東横線・東武東上線は地獄です。

家賃も含めてライフコストが高い

家賃が1.3倍から1.8倍くらいします。
スーパーの食材だって高い。コンビニがいかに良心的か身にしみます。

うつ病がおおい

上記をまとめたような内容になってしまっていますが、退職理由はだいたい精神が壊れたって人が多い。
時間だけの束縛だけではなく、孤独に追いやられたり、プレッシャーだったり。

東京は冷たくて早い
憧れだけ持って上京するのはやめたほうがいいです。

東京で働くメリット

東京はデザインに関する催し事が多い

これは本当にそう。美術館の数だけでも東京は本当におおい。98件あるみたいです。
大阪は46位だ!!これ県民性ってすごいわかるわー
でも長野県が一位なんですね。知りませんでした。

参照:都道府県別美術館の数
http://todo-ran.com/t/kiji/14216

秋頃になると、アートイベントがとっても多いです。

などなど毎年恒例でやっているものが多数あります。
インスパイアされまくって覇気をまとって家路に帰れます。

地方出身者の目的意識がはっきりしている

私はこんなデザイナーになるって具体的にキャリアプランを計画している人がおおいです。
または、こんなデザインが好きって具体的に言える人が多いです。

今していることは未来に必要なことなんだと。なにか目的意識や目標がなければわざわざ出てくる必要ないですもんね。

Web技術のセミナーが活発

勉強会やセミナーなどがとっても活発です。こんなに毎日ちょっと足を伸ばせば行ける範囲でセミナーをやっているのは東京ぐらいです。
schooATNDconnpassなんかを駆使するととてもたくさんの人に出会えます。

そしてセミナーに来ている方々は決まって意識高い系です。
優秀な人ほど、外に発信することを怠っていません。

Web制作会社の忘年会などで横のつながりも作れる

Web関係者が集まる夏季のイベントといえばミネラルそうめんです。クラブを貸し切って流しそうめんをします。

主催するWeb制作会社は業界でも有名な会社ばかりです。
例えば2016年はこのようなラインナップ

ARCHETYP Inc.
BEES/HONEY INC
EPOCH Inc.
highlights inc.
muuuuu.org & S5-Style
NAGI Co., Ltd.
SHIFTBRAIN Inc.
UNIBA INC.
UNITBASE Inc.
Wab Design INC.
monopo inc.
LETTERS, INC.
RYDEN.Inc

すごいっしょマジで。
名刺交換をするために1000名以上の方が集まります。

冬季にあるのはミネラル横丁です。

こちらもWeb制作会社の忘年会です。ミネラルそうめんよりも規模がでかい気がします。
このために案件を年末に片付けるという、冬の風物詩になりつつあります。

大手代理店案件は誰もが知っているあのメーカーのサイトが作れる

大阪ではないんですよね。
なぜならWebサイトの決裁者が大阪にいないからです。
企業の本部機能は東京に固まっていて、大阪支社に決裁権がないのです。
これはもう説明のしようがないです。

ディレクターが専門職なのは東京だけ

これは大きいです。
大阪や地方都市では大きなコンバージョンを狙った企画を求められることは少なく、クライアントがしたいことを形にするのが地方デザイナーの使命であり、やりがいだと思います。
しかし東京には企画を専門とする人々がいます。ディレクターです。

大阪ではデザインとエンジニアリングの上位職がディレクターですよね。
ですが、東京では新卒初日からディレクターって肩書きの人がいてます。

ディレクターはたくさんのクライアントと案件を進めるためのやりとりをしています。
社外の打ち合わせや、社内の打ち合わせで大忙しです。
ディレクターは企画・情報設計・見積もり作成・交通整理・スケジュール管理が主な仕事です。
時には、SEOのことを調べたりdescriptionを決めたりもします。

ですのでコードを書いたりデザインできる人はとても稀です。
デバッグできればそれでいいって感じかな。

ディレクターの仕事は小規模サイトではただの雑用に見えます。
ですが中規模・大規模案件サイトになるとディレクターの力量が、アウトプットの良し悪しを大きく左右します。

地方都市のデザイナー・エンジニアはお客さんと直接のやりとりを一度は経験している方が多いです。そうなると、自分の職務の範囲以外のことも求められるので、オールラウンダーが地方都市には多いのです。
デザイナーだけどバナーの更新くらい自分でするよって感じですね。

そういう地方出身者は、スペシャリストではなく、ジェネラリストなことを逆手にとって、ディレクターになってしまうのもキャリアプランとしては正解だと私は思います。
どこの現場も製作者の気持ちがわかるディレクターはたいへん貴重です。

名前が売れる可能性が高い

有名な制作会社に一度入社してしまえば、自分の肩書きにハクがつきます。
そしてこの肩書きこそが東京では大きい仕事をするためには重要だったりします。
これは東京特有の価値観です。

早稲田が賢いとか、慶應の方が賢いとかすごく東京の人はうるさいです。
僕から見れば、正直くだらないです。

ですが東京の人はステータスに命をかけてます。

プロセスに対価を支払う

大阪のクライアントは出来上がったものにしかお金を払わない傾向にあります。
わかりやすく言うと目に見えるものにしか対価を払わないんです。
データ解析・企画・素材選びには対価を払いません。

その結果、安全にプロジェクトを終えるようにするには、中途半端であろうが、時間かけてる風に見せた派手なやつに見せる。

盛ってる=高そう

大阪の商魂とどケチが、クライアントサイドに回るとこうも恐ろしいとは思いませんでした。
最終的に作った後で、値切ってくるケースもあるので、そのような方とは二度と一緒にお仕事したくなくなります。
実はこれがデザイナーにとって一番報われないところではないかと思います。

まとめ

その気があるなら上京するべき。一択かな。

ほなね