Webのオフショア開発が近年活発です。
ですが、私の結論を先に言うと、ディレクションのコストが格段に上がるために美味しくないと言いたい。
受託系の制作会社のワークフローは、
プロジェクトマネージャー > ディレクタター > エンジニア・デザイナー
このような座組でおおよそ間違い無いでしょう。この座組みで行われるWeb受託制作についての僕の見解です。
そもそもオフショア開発とは
一言で言うと人件費の格差に注目した、国をまたいだ外注です。
数年前に日本でも頻繁に耳にするようになりましたが、英語圏では普通に行われていることです。そして、外注先としては英語の通じるインドや東南アジアが人気です。近年、東南アジアが注目されているのは、物価の安さを武器にIT工場化してきているから。
文化的障壁:日本人のノリが通用しないので一瞬流行ってからは慎重になった
日本人のノリが通用しないので、一瞬流行ってからは新規参入は慎重になったと言えるでしょう。
・言葉のカベ
・現地の人が分かるように指示を出すのが大変
・文化的なギャップ
・空気を読むとかそういうのない
・遅れてても残業や休日出勤なんてしない
・技術的なギャップ
・技術者のスキルが低い(徐々に改善)
この辺の文化的な理由が大きいですね。
”これくらいはいちいち言わなくても普通はやってくれるだろう”という感覚が日本人なら通用するが、外国人なら通用しません。
と言うことはディレクション(指示・伝達)がとっても難しく慎重にせざるを得ないのが現状です。
日本の国際的な地位の低下と新興国の成長
優秀な人材は日本人と同水準の給与になりつつあり、うまみがないと言うのが現状です。
円の価値の低下に加えて、東南アジアの物価は上がり続けています。
オフショアの大前提として、労働力を安く買える言うこと。
これが根本から崩れています。これはフィリピンだけではありません。
ホリエモンも近畿大学での卒業スピーチで言っていましたが、日本と東南アジアの格差は埋まりつつあります。
静かに衰退して行く日本。これを日本国外で体感できるのも自分が日本を出て仕事をしたからだと思います。
課題:通常の外注よりも難易度が高い
冒頭にも言いましたが、これですね。エンジニアとデザイナーの連携が取り難いので、通常の外注よりも難易度が高いのです。
・ディレクターへの負荷が高い
・仕様が甘いと都度日本への確認が必要
・ディレクターは複数案件まわすので、案件固有の事情をキャッチアップしきれない
ディレクターは英語をわかっていて、なおかつある程度プログラムの知識だったり、デザインの知識が必要となってきます。
最終的にはディレクター自身がコード書いたり、デザインを修正しなければいけなかったりして、間に入るディレクターの負荷は非常に高いです。
デザインができてコードもかけるディレクターなんて、そんなに滅多にいないでしょ。
そんな高いスペックを持つディレクターを配置しないといけないというところも、日本企業がオフショアをするのが大変な理由ですね。
もうWeb制作で現地のエンジニアを雇ってオフショアとか流行らねーし、これから始めるのはあまり旨味が無いよって感じました。
ただ、フリーランスとか個人事業主が、東南アジアに住んで日本のクライアントと仕事をするのは、まだまだ大丈夫だと思います。セブとかチェンマイとか魅力的ですね。
ほなね