CI Directorの平尾です。
弊社では企業理念から書き起こし、ブランドガイドラインを作り、Webサイトまでをワンストップで製作してます。
今回はデザインが美しい統合報告書を集めました。
統合報告書の制作を専門とする、某IR専門企業様のWebサイト制作をご依頼いただいたことがきっかけで、いろんな企業の統合報告書を調べるうちに、情報設計の美しさに魅せられたのでした。
ページにIR情報のサイトのリンクを貼っているので、そちらから全てPDF形式で閲覧することが可能です。
最後にご紹介する日清食品は、いつもクリエイティブがぶっ飛んでて、完全にネジが外れている感じがサイコーすぎる。
統合報告書とは
企業の自社サイトをご依頼いただくことが多い弊社ですが、コンテンツ企画・制作で参考にする資料のひとつに“統合報告書”があります。
統合報告書とは、アニュアルレポートとも言われますが、決算書だけでは知れない、企業が真剣に取り組んでいる活動を、写真付きでわかりやすくデザインされた冊子だと思ってください。
あまり国内では株式投資をされていない方には馴染みの薄い物ですが、海外ではデザインアワードの部門にこの統合報告書の部門があります。
近年では投資家を中心としたステークホルダー向けの統合報告書を、クリエイティブなデザイナーが作っている様子をよくみます。
確かにインハウスデザイナーが一番実力を発揮できるシーンの一つだと思います。
上場している会社はどこも発行しているかと思いますが、今回はデザインの参考にもコンテンツ制作をはじめとするライターにも参考になるので、秀逸なデザインの統合報告書を集めました。
PDF形式で閲覧できるので、皆さんも参考にしてみてください。
DNA
グラフィックデザインが面白くて、開かれたカルチャーを垣間見れる気がしますね。
Webで見た際に、縦に繋がりがある構成になっており、退屈な資料にならない工夫がされている。
縦のデカタイポグラフィもおそらくWebデザイントレンドを踏襲している気がする。
マルイ / OIOI
こちらのページから
ESG経営を牽引するマルイさん。
暖かく明るい印象。
社長をはじめとする、ポートレートのフォトディレクションは特に参考にしたい。
また、内容も世界の課題へ向けた、自社の在り方を書いており、企業として応援したくなる。
双日
データが特に多く、数値も想像できない部分がたくさん多い。
そこをしっかりインフォグラフィックを添えていることで、情報は多いけど見やすい構成になっている。
GOLDWIN
こちらのページから
こちらもマルイ同様、社長の写真を見るだけでも、しっかり自社の特徴を出せている。
他の統合報告書との違いは、余白の空気感。
表紙を見てもわかるように、文字がビッシリ詰まっている窮屈なインタビューページと、クリーンでアウトドアな感じを見せる余白たっぷりのあるページを織り交ぜている。
サイバーエージェント
こちらもWebで一気みされることを想定した、縦にレイアウト。
縦に連続した写真と余白を使ったレイアウトで見やすく、全体を統一してトンマナが整理されている。
Webで見せることを前提にしているので、印刷枚数にも制限がなく、それにより縦写真を大胆に配置するなど、リッチなレイアウト構成になっています。
空だけのページがあったかと思うと、一気に地上に降りてくる。
“日本の閉鎖感を打破する”というメッセージがデザインにもしっかり反映されているようにも思います。
イラストを使った藤田社長のインタビューなど、とても手が凝っていて、作り込まれている感じがとてもします。
イラストを起用することで、よく見る藤田社長が新しく見えるどころか優しく見える。
余白も多くてスッキリしてて、とても見やすい。
ラクスル
ラクスルにはBehanceまである。
Behance
会社全体でデザインに力を入れていることがわかる。
Webを主戦場にしている会社はデザインにとてもプライオリティを置いています。
ラクスルってそんなにかっこよかったっけ?って思えるくらい。
テッキーな青色を基調にサービス全体を説明するインフォグラフィックがとても見やすい。
事業戦略の図解はWebサイトの参考にとてもなります。
マネーフォワード
オレンジ色をベースに何色も濃さの違うオレンジを使って、ワントーンでシンプルにデザインされている。
フォントもおそらくはWebサイトでよく使われるMontserrat のように思う。
『お金を前へ。人生をもっと前へ。』
というポジティブなメッセージが気持ちいい。
マネーフォワードはいろんなサービスを横展開していて、各ドメインがどういった顧客の課題を解決するかまでがダイアグラムで書かれていてとても見やすい。
グラフィックデザインの技が光るけど、しっかりWebで見ることを意識したページなってる。
大企業になればなるほど、ドメインが複雑になり色分けで表現することが増えるが、マネーフォワードはドメインごとに認知を獲得できているので、単色でも違いがわかる、
SANSAN
業績ハイライトは売上遷移をグラフで表示することが多い。
でも、こちらはオリジナルの線画のアイコンで表現しており、直感的にビジネス感覚が鈍くてもわかるようになっている。
編集方針にもあるとおり、ステークホルダーは上場すると多岐に渡るので、読みやすくてわかりやすいのはとってもいい!
にしても、オフィスがカッコいい。。
UZABASE
ざらついたノイズ系テクスチャが最近のWebトレンドっぽさを醸し出してる。
ジオメトリック系のモチーフを散らして、UZABASE社のイメージをメディア露出するときと一貫している。
何かデザインガイドラインが厳密に決められているとは思うが、インハウスのデザイナーが作るからこのようにちゃんと『らしさ』を表現できているんだろうと思う。
社員がたくさん出てくるが、モノクロであることで他で使用されるイメージ画像に目がいくようになっているのもとてもいい。
日清食品
テレビCMではいつもぶっ飛んでいる日清ですが、安定してぶっ飛んでます。
もう完全に見た目はジャンプの新刊ですが、肝心の内容はクリエイティブが凄すぎて頭に入ってきません。
グラフィックデザインがエグいのはもちろんのこと、この作風はとてもジャパニメーション的。
海外の人とかが見たら、表紙だけでポスターにして飾っちゃいたくなるのではないでしょうか。
CEOメッセージも斜め上を行ってます。
社長のプラモ!!!
まとめ
このような統合報告書のようなものは、アウトソーシングしにくいものなので、インハウスデザイナーの価値が上がっているのではと思います。
ビジネスシーンでの活躍の場が明るみになることで、デザイナーの価値も上がるのではないでしょうか。
ほなね