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『競合はいません』と言われた時の対処法

マーケティング
Makoto Hirao

Makoto Hirao

アルテガにご依頼いただくクライアント様は多種多様。さまざまな業界からお問い合わせをいただきます。
まずは業界理解や事業理解を進めていくのですが、重たい工程の一つに“競合リサーチ”があります。

クライアント様にもまずは『競合はいますか?』という問いかけをします。

すると、『競合はいません。』と結構高い確率で言われます。
これをまず鵜呑みにしているWebディレクターはまずいないはず。

『競合を意識したことがない』が正確であると僕は認識しています。

今日はそんな、『競合はいません。』と言われてしまった後に、どんなふうに競合を考えていく必要があるかをまとめました。
特にディレクターやプロデューサーは、他社の企業をどういうふうにフォルダ分けをしていくかを考える機会になると思います。

競合軸から考える

競合調査は「同業」を見ることじゃありません。
誰しもが自社の競合を考えたこともあると思います。

デザインやディレクションの仕事をしていると、クライアントと「競合を調べましょう」という話は当たり前のように出ます。
ただ、この競合調査という言葉、思っているよりずっと狭く捉えられていることが多いなと感じています。

要件を疑うところから始まる

多くの場合、問い合わせをもらったらまず事業内容を理解して、クライアントが用意してくれた要件や課題を前提に話が進みます。
親切な企業様は、要件定義の資料を作り込んで、依頼するデザイン会社・制作会社にわかりやすいようにまとめてくれてたりします。
でもアルテガは、その要件自体が正しいかどうかをまず疑うところから入る。

  • なぜ課題だと思っているのか
  • ボトルネックはそこなのか
  • そもそも競合をどう定義しているのか

競合調査は、「競合を探す作業」ではなく、競合の定義を問い直す作業だと思っている。
競合は「同じ業界」だけじゃありません。

マクドナルドを例にして考えてみます。

よくある競合調査だと、マクドナルドの競合は「モスバーガー」「ロッテリア」みたいな話になりがちです。
でも、それだけ見ているとかなり大事なものを見落としてしまんです。

① 時間での競合

まず一つ目は、時間の競合。マクドナルドは深夜〜明け方くらいまで営業している店舗もあります。
一方でモスバーガーは、営業時間が短い。この時点で、同じ時間帯に選択肢として存在していないケースがある。

これは「営業時間」だけの話ではなくて、提供スピードも同じ。
マクドナルドは早い。モスバーガーはマクドナルドと比べて時間をかけて提供します。
同じハンバーガーでも、時間軸では競合していない瞬間があります。

② 質での競合

次は、質の競合。モスバーガーは国産野菜にこだわります。
野菜の量も多いし、モス野菜バーガーに代わる野菜たっぷりメニュー自体がマクドナルドにはない。

バーガーキングやゼッテリアの方が「質」を比較すると、背徳感のあるハンバーガーを出していて近いと言えます。
同じ商品カテゴリでも、戦っている軸が違います。

③ 価格での競合

価格で見ると、マクドナルドは安い。(とはいえ最近高いよね。)
じゃあ価格での競合はどこかというと、必ずしもハンバーガー屋ではない。

松屋やすき家も、価格帯で見ると競合になる。
この場合、商品ジャンルは関係ありません。
同じ価格で、同じ“満足度”を提供しているかが基準になる。

④ エリア(物理距離)での競合

次は、エリアでの競合。
北海道にあるハンバーガー屋と沖縄にあるハンバーガー屋は、競合しない。
どれだけ似たコンセプトでも、物理的に行けないものは競合にならない。
この視点が抜け落ちていることが結構多い。

⑤ 業界外の競合

最後に、一番見落とされがちな競合。マクドナルドの競合は、
必ずしも飲食店だけじゃない。たとえばコンビニ。

マクドナルドの目の前に、セブンイレブンがあったらどうだろう。

サンドイッチもおにぎりもあります。
すると、マクドナルドに行かないという選択肢が生まれる。

これは業界そのものの需要を奪う競合。
競合調査で一番怖いのは、この存在を見落とすことだと思っている。
同じ胃袋を狙う点に関しては競合だと言えます。

まとめ:競合調査は「構造」を見る作業

競合調査は、似ている会社を並べる作業ではなくて、

  • 時間
  • 価格
  • エリア
  • 業界外

もっともっと実はあるはずなんけど、まずはこの競合軸から考えることが必要なのでは。
こうした軸でどこで競合していて、どこで競合していないのかその構造を理解することが大事。

競合を正しく見ると、戦う場所が見えてくる
競合を広く捉えられるようになると、「戦わなくていい場所」も見えてくる。無理に同業と殴り合わなくてもいい。違う軸で選ばれる設計ができる。競合調査は、不安を煽るためのものじゃなくて、戦い方を選ぶためのもの。そう思って、僕は毎回競合を見ている。

ほなね

Makoto Hirao

Makoto Hirao

Producer

アルテガの代表。プロデューサーで会食担当。