ディレクターの坂本です!
このたび、三重県いなべ市で50年以上続く自動車屋「小林モータース様」のコーポレートサイトをリニューアル制作させていただきました。地域に根ざした歴史ある会社が、そもそもいまのWebサイトでも十分にお客様がいらっしゃる状態から、なぜリニューアルを決意されたのか。
そして、その目的を果たすために私たちがどのようなアプローチをしたのかをご紹介します。
小林モータース コーポレートサイト
クレジット
Direction:Yoki Sakamoto(ARUTEGA Inc)
Design:Norio Ozaki(ARUTEGA Inc)
Front-End:Takurou Miyagawa
Photo:Kanji Yoshima
ご依頼の背景
以前のサイトは制作から10年以上経過しており、何とかしたいという思いで他社のサイトを見ていたところ、私が以前制作させていただいた三重県の自動車屋さんのサイトを見られて「ここにお願いしたい!」と思っていただいたとのことでした。
さらに双方が顔見知りの会社さんだったとのことでご紹介をいただきました。
サイトを何とかしたいという強い思いで制作会社を探している中、弊社をご指名いただき、大変光栄に思います。
プロジェクトのゴールを明確にする
今回ご依頼いただいた際のご要望としては大きく3つありました。
- 新規のお客様でも「行きたくなる」親近感
- 掲載内容を実態に合わせ、伝え漏れのない情報設計
- 初めて見る方でも迷わない使いやすさ
とくに新規のお客様に親近感を持ってもらうことはマストだと感じました。それは小林モータース様が サービス品質を常に高く維持されている から。いくら集客が増えても、その後の接客・サービスが伴わなければ意味がありません。しかし、小林モータース様にはその不安が一切ないと確信しました。
また、自社で販売した車でなくとも修理を引き受けるという姿勢にも驚かされました。車の購入先にかかわらず、同じように親身になってケアされる企業はまだまだ少ないのが現状です。この“垣根のないスタンス”は、まさに新規のお客様が親近感を抱きやすい大切な要素だと思います。
コーポレートサイトの役割とターゲット
小林モータース様のように、すでに地元で強い信頼を得ている企業にとって、コーポレートサイトは新たに「お客様を増やす」だけでなく、「会社としての在り方・強みを再確認し、さらに成長に向けた戦略を整備する」場でもあります。
- 主なターゲット
- 三重県いなべ市近郊の方
- 近年増えつつある工業地帯への出稼ぎ層や若年層
- 地元外からの転入者で、「中古車のニーズがある」人たち
車屋が多いいなべ市周辺では、初めての人が気軽に連絡できるお店はまだ多くはありません。そんな状況で “気軽に声をかけてもらえる敷居の低さ” を打ち出すことが、本サイトの大きな役割といえます。
企画・構成
- 「家族的なあたたかみ」 と 「確かな技術力」 を同時に感じられる構成
- サービスメニューをわかりやすく分類し、ナビゲーションを簡潔に
- これまで当たり前のようにやってこられた「垣根のないサービス精神」を、言葉と写真で強調
実は、こうした「当たり前だと思っている強み」は、ご本人たちには気づきにくいことが多いです。対話を通じて「それこそが最高のブランディング要素」と気づいていただくのも、私たちの大切な役割だと考えています。
飾らずとも伝わる、本当の魅力を切り取る撮影アプローチ
今回の撮影では、ありのままの姿を伝えることにこだわりました。小林モータース様の誠実なお人柄や自然体の雰囲気は、特別に繕う必要がまったくなかったのです。そこで、以下の3点を意識しながら進めました。
1. “実直・誠実”な仕事ぶりが伝わるカット
小林モータース様の作業風景を、可能な限り“いつものまま”切り取りました。具体的には、車の下にもぐり込んで点検をしているスタッフの様子や、お客様のご要望をヒアリングする際の真剣な表情などをそのまま撮影。見る方に「ここなら安心して任せられる」と思っていただけるよう、あえて演出しすぎないアングルを意識しています。
2. あえて“決めすぎない”自然体の表情
撮影中はスタッフの皆さんにカメラを過度に意識させず、普段どおりにお仕事をしていただきました。決めポーズや構図を指示しすぎると、不自然になってしまうからです。実際にコミュニケーションを取りながら作業する姿や、ふとした会話の瞬間を捉えることで、人柄の良さやあたたかみを切り取ることができたと思います。
3. 設備や作業風景を広く写し、“修理も安心して任せられる”雰囲気を強調
自動車整備の現場が「どんな設備で、どんなスタッフが、どのように作業しているのか」が伝わるように、建物の外観から内部まで幅広く撮影しました。お客様が「ここなら信頼できそうだ」と感じられるよう、作業風景の一部始終をしっかりと映し込み、スタッフ同士のやりとりも織り交ぜて表現しています。
デザインで与えたい印象
会社を機能的・情緒的に表現するデザイン
コーポレートカラーのブルーをベースにしながらも、余白をしっかりとることで爽やかさを演出。ロゴやカラーだけに頼らず、“会社としてのあたたかみ” が可視化されるよう、アイコンや写真の見せ方にも工夫を凝らしました。
親近感増すアニメーション
アニメーションは見る人を惹きつける“フック”ですが、過剰になると読み込み速度への影響やユーザビリティの低下にもつながります。そこで、適切な箇所にほんの少しだけ視線を誘導できるように計算し、サイト自体に親近感がわく演出を施しています。
クライアントからのお言葉
仕事の取り組み方を再確認する機会になりました
当社のHPは作成してから10年以上経過しており、何とかしたいという思いでアルテガ様にお願いしました。ただ、正直今のHPと同じで、やっている仕事・サービス内容を淡々と掲載した、さっぱりとした形を想像していました。しかし坂本さんとお話していくうちに、自社の魅力や強みや他社との違い、誰に何を伝えたい為にHPを作るのか?など一生懸命考えるようになり気づけばなかなか熱く語っている自分がいて、改めて自社の仕事の取り組み方を再確認する良い機会となりました。結果として当社のイメージである「青」をベースに、さわやかで、コミカルな動きもある素敵なHPを作って頂きました。こちらの修正希望や画像の差し替えなど迅速に対応して頂き、素人でも分かるようご配慮頂いて、本当に感謝しています。ありがとうございました。
有限会社小林モータース 経理・事務 小林 靖恵様
Webサイト・写真など、あの手この手でブランディング
株式会社ARUTEGAではWebサイトを中心に、今回のように写真や映像など「あの手この手」を尽くし、企業・商品のブランディングを行います。
安易に新たな魅力を作ろうとするのではなく、今在るそれらを探り当てたい。
眠っているものを見つけ、磨き、表現していくこと。
そのために、時に「やりすぎ」と言われるくらい対話を繰り返します。
あなたの会社の魅力を一緒に発掘しませんか?
歴史の長い企業ほど、日々の仕事が当たり前になってしまい、独自の強みに気づきにくいもの。ARUTEGAでは、そんな“眠っている魅力”を掘り起こし、Webサイトや各種クリエイティブで表現します。
もし「うちの会社の強みが見えてこない」「将来に向けて発信力を強化したい」と感じていらっしゃるなら、ぜひお気軽にご相談ください。