こんにちは。ノルウェーに在住しているオーベルビーです。
ノルウェーからリモートでアルテガの仕事をしています。
今回は、現在ノルウェーのオスロで開催されているVisueltutstillingen 2022を見に行ってきたので、Visueltの概要や受賞作品など、個人的な感想も踏まえて紹介したいと思います。
ノルウェーに在住する日本人の感想としては、北欧らしいカラフルな色使いや、シンプルでありながらも視覚的に強い印象を与えるデザインが多いように思いました。無駄な要素を省き、シンプルな中に新しさを取り入れるのがノルウェーのデザイントレンドなのかなという印象を受けました。
Visueltについて
まずは、今回開催されたVisueltというデザインコンペについて紹介します。
01.Visueltとは
Visueltは、ノルウェーで毎年開催されるビジュアルコミュニケーションをテーマにしたノルウェー最大のデザインコンペです。
・グラフィックデザイン
・イラストデザイン
・デジタルデザイン
・動画・映像デザイン
この4つの部門に分けられ、その中で最も優れた作品に賞が贈られます。
あらゆる場面・分野において、これまでにないほどビジュアルコミュニケーションが使用される時代になっており、Visueltは、そのような時代に活躍する才能あるイラストレーター・デザイナー・アニメーターにスポットを当てる重要なコンペとなっております。
02.コンセプト
・優れたプロジェクトとそれに携わる才能ある人々の両方に注目する。
・革新的な思考と専門的基準を高める。
03.審査員
幅広い専門知識を持ち、各分野に強くコミットしているプロのデザイナーたち。
各カテゴリーからプロの現役デザイナーが審査員として選出されています。
・グラフィックデザイン 10人
・イラストデザイン 5人
・デジタルデザイン 5人
・動画・映像デザイン 5人
審査員一覧・詳細はこちらから見ることができます。
若いデザイナーが男女バランスよく審査員として担当していることが分かります。
性別にばらつきがない点も男女平等主義であるノルウェーの特徴だと言えます。
04.評価基準
・デザインがユーザーまたはクライアントの課題を解決できているか。ニーズに応えられているか。
・デザイン・コンセプトが革新的であるか。
→オリジナリティ・革新性・コミュニケーションスキルが評価ポイントとなる。
・デザインの全体像と技術の質が両方とも優れているか。
会場の演出
受賞作品の展示会はVisueltの主催者であるGrafill本社1階の展示スペースに展示されています。
部門ごとに分けられ、それぞれの受賞作品に作品タイトル・制作者名・審査員コメントが添えられています。
受賞作品を一部紹介
ここからは受賞作品の中で個人的に印象を受けたものをいくつか紹介します。
01.グラフィックデザイン ポスター部門
金賞作品 Foot Books på Baklengs
こちらの動画で手書き風フォント制作の様子が見られます。
こちらのポスターはFoot Books på Baklengs (Foot Books at Baklengs) のイベントのポスターです。
Baklengs(後ろ向き・逆さに)に因んで、鏡文字で文字を綴っているデザインとなっています。
そのため、一見何と書いてあるのかわからないのですが、それゆえに自然と立ち止まって見てしまう効果があるのかなと思います。
テキストのみのとてもシンプルなポスターでありながらも、見る人を惹きつける視覚的デザインに優れているところが素晴らしいと感じました。
02.グラフィックデザイン 学生制作部門
入賞作品 Oppdrag Blomstereng
こちらの制作物は子ども用のお花の観察日記です。
子ども用ということで、ページ内もカラフルで、所々にメッセージカードやステッカーが挟まれていたりと、子どもの遊び心を刺激するデザインとなっていました。
楽しみながらクリエイティブに学ぶことができる点が北欧らしく素敵でした。
北欧らしいお花のイラストも可愛かったです。
03.デジタルデザイン Webサイト部門
金賞作品 Mano‘Pizza by the meter’
Webサイトはこちらから
こちらはオスロにある飲食店のWebサイトです。
海外のサイトでよく見る大胆なタイポグラフィがかっこいいです。
使用カラーはピンク(#facad5)とブラック(#000)の2色のみ。
お店のインスタグラムを見ると、店内インテリアやピザの箱にもピンクを使用していることがわかります。
画面左下にあるスクロールと連動するパラメーターに遊び心があり、おもしろいです。こちらのパラメーターは、直径何メートルが何人分のピザになるかを表しています。
まとめ
今回は、ノルウェーで開催されているVisueltutstillingen 2022についてお伝えしました。
ここでは受賞作品3つのみを紹介しましたが、こちらから全受賞作品を見ることができます。過去の受賞作品も全て見ることができます。
解決策としてあるデザインが、ユーザーまたはクライアントのニーズに応えられているかを第一に重要視していることが審査員のコメントから伺うことができました。
今後もノルウェーのデザイントレンド、注目のWebサイトなどの情報を発信していきます。