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ポートフォリオサイト制作の始め方ガイド

アルテガは、ブランディング視点からWebを設計・構築する制作会社です。
企業や個人の「らしさ」を、言葉とデザインで丁寧にかたちにしていく。
それが、私たちの仕事です。
なかでもポートフォリオサイトは、自分自身や会社の価値を伝えるための重要なツール。
ただ作品を並べるだけではなく、仕事への姿勢や世界観まで伝えることが求められます。
テンプレートを使えば、見栄えのよいサイトは簡単につくれます。
でも、印象に残るサイトにするには「誰に、何を伝えたいのか」という設計が不可欠です。
見せ方ではなく、伝え方を考えること。それが差を生むポイントになります。
この記事では、フリーランスや個人で活動するクリエイター・デザイナーの方に向けて、ポートフォリオサイトの考え方とつくり方を解説しています。
企業のコーポレートサイトとは違い、「どんな人なのか」「どんな価値観で仕事をしているのか」といった人柄や姿勢が、ポートフォリオには色濃く現れるため、自分らしさをどう表現するかが鍵になります。
「ちゃんと伝わるポートフォリオを作りたい」──そんな方のためのガイドです。
次のステップを、一緒に考えていきましょう。
ポートフォリオサイトが必要な理由
自分や自社を正しく伝えるための「営業ツール」
ポートフォリオサイトは、ただ作品を並べる場ではありません。
スキルや考え方、世界観までを伝える「自己紹介」の場として、大きな価値を持っています。
SNSや履歴書だけでは伝えきれない“あなたらしさ”。
Webだからこそ、言葉や構成、見せ方までを自由にデザインできるのが強みです。
どんな課題に取り組み、どんな工夫を重ねたのか。
完成した成果物だけでなく、背景やプロセスにこそ「らしさ」はにじみ出るものです。
「なぜこの色を選んだのか」「誰の、どんな悩みを解決したのか」。
こうした意図や視点を語ることで、共感や信頼が生まれます。
単なる“展示”ではなく、“ストーリー”で伝える意識が、記憶に残るポートフォリオをつくります。
これは個人クリエイターだけでなく、企業にとっても同様です。
たとえば採用向けにサイトを活用するなら、「どんな価値観の会社なのか」「どんな人がいるのか」を伝えることが重要です。
共感する応募者やパートナーが集まりやすくなりますし、営業ツールとしても機能します。
名刺にQRコードを載せておけば、その場で詳しく伝えることも可能です。
「作品を見せる」から「人や会社を知ってもらう」へ。
視点を少し変えるだけで、届けられる内容は大きく広がります。
「何を載せればいいかわからない」「どう構成すれば伝わるのか」。
そんなときは、完璧を目指さなくてもかまいません。
まずは「このサイトで何を伝えたいのか」を考えること。
そこからポートフォリオの設計ははじまります。
第一印象はWebで決まる
人と出会うときの第一印象が大切なように、Web上の第一印象もまた重要。
特にポートフォリオサイトは、クライアントや採用担当者が最初にあなたを知る入り口になることも多く、その印象が「この人に任せたいかどうか」に直結する場面も少なくありません。
どれだけ素晴らしいスキルや実績があっても、見せ方が雑だと伝わらない。
逆に、構成やビジュアルが整っていれば、内容に対する信頼感も自然と高まります。
たとえばデザインが読みづらい、ナビゲーションが分かりづらい、スマホで表示が崩れる。
そんなちょっとした「使いにくさ」は、無意識に「この人の仕事、大丈夫かな」という印象につながりがちです。
だからこそ、見た目の美しさや操作性、コンテンツの構成にはこだわりたいところ。
すべてを完璧にする必要はありませんが、「誰に、何を伝えたいのか」を考えた上で、設計の意図を持たせることが大切です。
ポートフォリオは単独で置いておくよりも、名刺やSNS、メール署名などとの連携も有効。
仕事や出会いのなかで自然にアクセスされるような「入口」として設計しておくと、接点がぐっと広がります。
特にSNSとの連携は、個性や日々の活動が伝わる“もうひとつの顔”として機能します。
そこから本サイトにたどり着く流れができれば、一貫したブランド体験を感じてもらいやすくなります。
第一印象は一度しかありません。
「誰が見ても心地よい」「ちゃんと伝わる」サイトであること。
それが、信頼と共感の第一歩になります。
ポートフォリオ制作サイトの作り方ステップ
サイトの目的を明確にする
ポートフォリオサイトをつくるとき、最初に考えたいのが「目的」。
誰に向けて、どんな印象を与えたいのか。これがはっきりしないと、デザインや構成もぼんやりしてしまいます。
たとえば、就職活動中のクリエイターが見る採用担当者向けのサイトと、営業資料として活用したいフリーランスのサイトでは、求められる要素がまったく違います。
前者なら「人柄」や「考え方」が伝わるような自己紹介やブログコンテンツが効果的ですし、後者であれば成果物や実績、対応可能な範囲を明確に伝えることが重要です。
自己表現を目的とする場合は、自由なレイアウトやインタラクションで“らしさ”を見せることができます。
逆に、企業との信頼構築を目的とするなら、構成のわかりやすさや更新頻度、実績の信ぴょう性といった要素が鍵になります。
ここで注意したいのが、欲張って目的を盛り込みすぎないこと。
すべてを詰め込もうとすると、かえって伝わりづらくなります。
優先順位をつけて、「このサイトで何を実現したいのか」をひとことで言える状態にしておくと、構成にも迷いがなくなります。
そして、その目的が誰のためのものか、というターゲットの明確化もセットで考えましょう。
学生か企業担当者か、専門家か一般ユーザーか。相手によって伝える言葉も、見せ方も大きく変わってきます。
目的とターゲットが決まると、ページ構成やコンテンツの方向性、デザインの雰囲気も自然と定まってきます。
どんなゴールを目指すのか、それを誰に届けたいのか。
そこがブレなければ、ポートフォリオサイトの説得力はぐっと高まります。
コンテンツを整理する
ポートフォリオサイトに何を載せるか。その前に、まずは伝えたい情報をすべて棚卸ししてみましょう。
これまでの制作実績、プロジェクトの概要、自己紹介やキャリアの流れ、提供しているサービス、ブログ記事や考え方など、洗い出すだけでもたくさん出てくるはずです。
でも、すべてを一気に載せるのはおすすめしません。
それぞれの情報がどんな意味を持つのか、訪問者に何を感じてほしいのかを考えることが大切です。
たとえば、制作実績。
単に「これを作りました」と並べるのではなく、どんな課題があり、どう向き合い、どんな成果を出せたのか。
そうしたストーリーを添えるだけで、作品への理解や共感が深まります。
プロフィールも同じです。
履歴書のように事実を並べるだけでは、なかなか“その人らしさ”までは伝わりません。
自分が大切にしている価値観や仕事への姿勢を言葉にすることで、共感を呼びやすくなります。
また、コンテンツはカテゴリごとに分けると伝わりやすくなります。
サービス内容と実績を分ける、プロフィールと活動履歴を分ける。
情報の整理によって、ユーザーが迷わず欲しい情報にたどり着ける導線ができます。
さらに「更新できる情報」と「ずっと使える情報」を分けておくのもポイントです。
ブログやニュースのように変化していくコンテンツと、自己紹介やサービスのように固定される情報では、見せ方も設計も変わってきます。
最終的には、訪問者がどの順番でどんな情報に触れ、どういう印象を持つか。そこまで想像しながら構成を考えると、コンテンツが“点”ではなく“線”でつながっていきます。
この整理のプロセスが、サイト全体の完成度をぐっと引き上げてくれます。
デザインとUI設計
第一印象のほとんどは、ビジュアルで決まります。
特にポートフォリオサイトは「自分らしさ」や「世界観」を視覚で表現する場所。
だからこそ、デザインは単なる装飾ではなく、ブランドの個性を伝えるための戦略的な要素になります。
色やフォント、写真のトーンといったビジュアルの一貫性は、見る人の記憶に残るために重要です。
あれこれ詰め込むよりも、軸となるテイストをひとつ決めて、統一感をもたせること。
そうすることで、印象に残るだけでなく、信頼感にもつながります。
ただし、見た目だけに偏ってしまうと「かっこいいけど、使いにくい」サイトになってしまうことも。
ここで欠かせないのがUI(ユーザーインターフェース)の設計です。
メニューの位置、ページ遷移のしやすさ、ボタンのラベル。
こうした細かな部分が使い心地を左右します。
ユーザーが「今どこにいて、次に何をすればいいのか」が直感的にわかる構造になっているか、何度も確認しましょう。
特にスマートフォンでの閲覧も多くなる中で、モバイル対応はマスト。
画面サイズが変わっても崩れず、操作しやすいデザインかどうかも重要な評価ポイントです。
さらに、どのページにも「見せたい」「読んでほしい」順番があります。
たとえば、まずは作品一覧を見せて、次に自己紹介、最後に問い合わせへ——といった流れを意識すると、訪問者の体験に“意図”が生まれます。
デザインとUIを別々に考えるのではなく、ブランドとしての体験をどう届けたいか。
その全体像から逆算して、見た目と使い心地の両方を設計していく。
この視点があるだけで、ポートフォリオサイトの完成度はぐっと高まります。
WordPressやノーコードツールの活用
ポートフォリオサイトを作るとなったとき、最初に迷うのが「どうやってつくるか」。
最近は、コーディングの知識がなくても使えるノーコードツールも充実していて、選択肢はぐっと広がっています。
たとえばWordPressは、自由度が高く、長期運用にも適したCMS。
デザインや機能を細かくカスタマイズしたい人に向いています。
プラグインを使えば、ブログ、問い合わせフォーム、SEO対策なども簡単に実装できるのが強みです。
一方で、よりスピーディに形にしたい場合は、STUDIOやWix、Carrdなどのノーコードツールがおすすめ。
ドラッグ&ドロップで操作できるので、直感的にデザインを組み立てることができます。
デザインテンプレートも豊富で、初めての人でもクオリティ高く見せられるのが魅力です。
また、コーディング不要とはいえ、ブランドの印象は「テンプレート選び」と「中身の設計」で決まるという点も意識したいところ。
テンプレートに頼りすぎると、どこかで見たような雰囲気になってしまうことも。
大切なのは、伝えたい内容や世界観に合った構成・表現を、自分なりに編集すること。
費用感としては、WordPressはサーバー代やテーマ購入費が必要になる一方で、ノーコードツールは無料プランから始められるものも多く、手軽です。
ただし、無料版では独自ドメインが使えなかったり、広告が入ったりといった制約がある点には注意が必要。
どの方法を選んでも大事なのは、「目的に合っているか」「長く運用できるか」という視点。
一度つくって終わりではなく、定期的に更新したり、改善を加えたりすることが前提になるため、自分にとって無理のないツールを選ぶことが成功への近道になります。
技術よりもまずは「届けたい想いがあるかどうか」。
そのうえで、それを表現しやすい方法を選ぶ——これがツール選びの基本です。
SEO対策と導線設計
せっかくポートフォリオサイトを作っても、見つけてもらえなければ意味がありません。
まずは基本的なSEO対策として、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、見出し構造の整理、自然なキーワード配置などを意識することが大切です。
画像にはaltタグを設定し、ページの読み込み速度にも配慮しましょう。
特別な知識がなくても、小さな工夫の積み重ねで検索エンジンに評価されやすいサイトに育てることができます。
同時に大切なのが、サイトを訪れたユーザーが次にどんな行動を取ればよいかを自然に導くこと。
たとえば、「問い合わせをする」「実績を見る」「SNSをフォローする」といったアクションを、導線としてわかりやすく設計しておくと成果につながりやすくなります。
ただ見せるだけでなく、ユーザーに何かしらのアクションを起こしてもらう。
それができてはじめて、ポートフォリオサイトは営業や採用のツールとして機能します。
また、サイト全体の流れを意識して、伝える順番や配置にも工夫を重ねましょう。
SEOと導線設計の両輪を整えることで、ポートフォリオサイトの力を最大限に引き出すことができます。
定期的な更新と運用
ポートフォリオサイトは、作って終わりではありません。
むしろ、そこからがスタートです。実績やブログの更新、新しいプロジェクトの追加など、サイトは「育てていく」ものと捉えることが大切です。
たとえば、新しい案件を掲載したり、記事を書くことで検索流入が増えたりと、更新を重ねることで露出も信頼性も高まっていきます。
運用の際には、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどを使って、アクセスの状況やユーザーの行動を可視化しましょう。
どのページが見られているか、どこで離脱されているかといったデータから、改善のヒントが見えてきます。
また、ユーザーの反応をもとに導線や構成を微調整していくことも重要です。
見せたい情報がちゃんと届いているか、伝えたい印象がブレていないか。
定期的に振り返りながら、サイトの精度を高めていきましょう。
日々の発信や改善の積み重ねが、ブランドとしての信頼や魅力を少しずつ育てていきます。
完成形を目指すのではなく、「今の自分たちを映す場所」としてアップデートを続ける。
そんな姿勢が、成果につながるポートフォリオサイトをつくります。
まとめ
ポートフォリオサイトは、あなた自身やあなたのビジネスを伝えるための「営業ツール」。
単に実績を並べるだけではなく、どんな想いで仕事をしているのか、どんな価値を届けられるのかを言葉とデザインで伝えることが大切です。
見た目の美しさはもちろん重要ですが、それだけでは足りません。
どの情報を、どの順序で、どう見せるか。
構成や導線をしっかり設計することで、訪れた人にとって「わかりやすく、魅力的な」サイトになります。
そして、つくって終わりにせず、少しずつ育てていくこと。
新しい実績を追加したり、情報をアップデートしたり、変化に合わせてサイトも進化させていく姿勢が、信頼を積み重ねていきます。
アルテガでは、ブランディングの視点をベースに、ポートフォリオサイトの企画・設計から制作・運用までを一貫してサポートしています。
「自分らしさをうまく伝えたい」「今のサイトでは魅力が伝わっていない気がする」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
小さな改善からでも、一緒に見つけていけたら嬉しいです。