クライアント様へインタビューをしました
Webディレクターの坂本です。Webサイト制作において、肝要となる要件定義や進行管理を務めます。
企業のブランディングにおいて、Webサイトの役割はますます重要になっています。リニューアルを成功させ、その効果を最大限に引き出すには何が必要なのでしょうか。
この記事では、創業70年以上の歴史を持つユニフォーム業界のリーディングカンパニー、株式会社ダイイチのマーケティング部責任者である柳下様にインタビューさせていただきました。コーポレートサイトのリニューアルから約3年、その効果と今後の展望について語っていただきました。
株式会社ダイイチ マーケティング部 責任者 柳下 様
企業のユニフォームの企画・製造・販売を行う株式会社ダイイチで、営業からキャリアをスタート。新設された部署での営業支援を経て、2025年2月より新設されたマーケティング部の責任者に就任。企業向けユニフォームの企画・販売において、70年以上の歴史を持つ同社のブランド価値向上に取り組む。3年前のコーポレートサイトリニューアルプロジェクトを主導し、現在は自社プロジェクト「Recycling HERO Project」にてサステナビリティに配慮した活動も推進。
『丁寧に仕事をする』ユニフォーム事業 – コーポレートサイトリニューアルの舞台裏
—ダイイチ様とはサイトフルリニューアルをきっかけに、現在も運用・特設サイト制作までサポートさせていただいてます。当時はどのような背景だったか覚えていらっしゃいますか?
柳下様:正直に言うと、最初はトップからの指示だったんです(笑)。自分が担当することになったんですけど、『これをやろう』と決めたのは私ではなく上層部でした。ブランディングの向上やサイトが古くなってきたという理由は分かっていましたが、当時は『なぜ今なのか』という明確な理由は把握していなかったんです。いわば『降りてきた宿題』だったんですよね。
—なるほど。実際に取り組んでみて、何か気づきはありましたか?
柳下様:取り組み始めて、段々と目的がはっきり見えてきたんです。新規のお客様からの問い合わせを増やしたい。そして何より、ダイイチという会社がユニフォーム業界の中で常に新しいことにチャレンジし続ける会社だということを、もっと多くの方に知ってもらいたい。そんな想いが根底にあったんだと思います。
—ご自身で担当することで目的がクリアになってきたんですね。プロジェクトを進める中で、特に印象に残っていることはありますか?
柳下様:写真が大事だったので、使える素材写真を探すのに苦労しました。特に会社の歴史を伝えるページでは、過去の素材をいろんなところから引っ張り出して。徹底的に集めましたね。
—素材収集、大変ですよね…手の部分にフォーカスした写真は、ダイイチさんの『丁寧な仕事』を視覚的に伝える意図でしたね。
柳下様:そうそう、丁寧に仕事をするというのを見せたいという思いがありました。手を映すことで、ぬくもりが伝わる写真になっていますよね。色合いもモノトーンの中のピンクを使う。単調になりがちなところに人の温かさを感じられる、すごく良いコンセプトだったと思います。
—3年経っても、当時のことをよく覚えていらっしゃいますね。
柳下様:時間が経っている感じがしないくらい、今でも活用しているサイトですから。
—サイトが長く使われ続けているというのは、とても嬉しいです。3年経っても色あせない、かなり堅牢なサイトになったと思います。当時はコロナ禍でしたが、オンライン中心の打ち合わせに課題はありましたか?
柳下様:うちはもともと対面での活動が中心だったので新鮮でしたが、特に苦になることはなかったですね。画面共有で情報も分かりやすく共有していただきました。
—最初に、コミュニケーションツールも導入させていただいたので、使いなれないツールばかりとなってしまいましたよね…ご協力ありがとうございました。
柳下様:確かに、最初にSlackの使い方を学ぶところが少しストレスでしたが、円滑にコミュニケーションが取れたのも良かったと思います。今でも使いこなせていない部分もありますが(笑)
見えない価値が目に見える形に – リニューアル後の変化とその先へ
—当時は、御社のような製造業やオフライン中心の会社に対して、ITツールの導入をご支援することがとても多かったです。サイトを公開した後、周りの反応はいかがでしたか?
柳下様:とにかく『綺麗なサイトですね』という声をたくさんいただきました。『誰がまとめたんですか?』『誰が作ったんですか?』とお声がけいただくことも多くて。クオリティの高さは本当に評価していただけたと思います。
でも何より嬉しかったのは、オリジナルのユニフォームのご提案依頼が明らかに増えたことですね。サイトを通じて『安心して任せられる会社なんだろうな』と思っていただけたようで、大手企業からの問い合わせも増えました。
—それは最高な褒め言葉ですね。とても嬉しいです!
特にオリジナル提案の依頼が増えたというのは、サイトを通じてダイイチさんの強みがしっかり伝わった証拠だと思います。特に効果的だったと思う要素はありますか?
柳下様:サイト内の情報がまとまったことですかね。信頼感のあるサイトだと、担当のお客様が上司の方に説明もしやすくなると思うので。
それから、『ジャーナル』というページ名の切り口も斬新だなと思いました。更新頻度の高い、複数ジャンルのページが一気にまとまったので。この考え方は、コンテンツを増やしていく時の基本になりましたね。
—歴史ある企業さまならではですが、コンテンツ量が多くありますよね。以前のサイトでは情報が散在し閲覧しづらい部分があったので、リニューアルでは『ジャーナル』という形で整理し、効果的に見せる設計をご提案させていただきました。
柳下様:ジャーナルページは頻繁に更新しています。導入事例はチームのメンバーと一緒に作っていて、お客様のところに撮影に行くこともありますよ。
—多くの企業ではコンテンツ更新が課題になりがちですが、ダイイチ様の継続的な更新が企業ブランディングにもつながっていると感じますね。「あ、また更新されてる!」と、見つけるたび社内共有して盛り上がっています(笑)
ブログやコラムをまとめ、検索機能を充実させたジャーナルページを新設
—その後も引き続き、サイト改修や、最近ではRecycling HERO Projectのサイト制作もご依頼いただきました。また依頼しようと思われた理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
柳下様:コーポレートサイトリニューアルでの取り組み方や、成果物が確かだったというのが一番ですね。それに他のアルテガさんの実績も見せていただいて、安心して任せられると思いました。実は他社に依頼するつもりはあまりなかったんです。社内で企画を通す際もスムーズに進みました。
—嬉しいです!ありがとうございます。私たちもダイイチ様の高い熱量を感じ、負けじと日々奮闘しています。今後より良いサポートのために、私たちへ率直なご意見があればお聞かせください。
柳下様:私たちからすると『これは軽微な修正だな』と思って依頼することも多いんですが、アルテガさんは『この変更がページ全体にどう影響するか』『なぜこの修正が必要なのか』など、しっかり背景を確認してくださるんです。
最初は『そのままやってくれればいいのに』と思うこともありましたが(笑)、長期的に考えると的確な確認をしてもらえるので、こちらは安心して任せられますね。
サイトの完成は通過点 – ブランディング・マーケティングを通じたダイイチの挑戦
—不要になった企業ユニフォームを回収・リサイクル処理を行い、リサイクル製品を提供するRecycling HERO Projectのサイト制作もさせていただきました。今後サイトをどのように活用する予定ですか?
柳下様:サイトを作って終わりにしてしまうと自己満足で終わってしまうので、作ったものをどう活かすかは、企画段階からセットで考えるべきことだと思っています。
このプロジェクトは、Webだけでなくアナログの活動も組み合わせていく予定です。キャンペーンを実施して、最初の5社は無償でサービスを提供し、参加していただいた会社の事例やムービーを作ろうと思っています。営業が説明しやすいようなドキュメンタリーや概要動画を社内で制作する予定なんです。
—企画段階から、Webサイト以外のコミュニケーション設計について議論させていただいた記憶があります。新しいショールームオープンも含め、多方面への挑戦が素晴らしいです。
柳下様:ありがとうございます。動画ができたら、コーポレートサイトのお知らせやサステナビリティのページに追加したり、紙媒体のお手紙と一緒に発信したりする予定です。必要に応じてページの改修も出てくると思うので、また相談に乗っていただきたいと思っています。
—マーケティング活動に一層力を入れていく、ダイイチ様の今後の発展が楽しみですね。ぜひお気軽にご相談ください!最後に、これから同じようにサイトリニューアルを考えている企業へのアドバイスがあれば教えてください。
柳下様:企業のブランディングやマーケティング活動は、数値化が難しい部分があります。でも、最初から完璧な数値目標や効果測定にこだわりすぎて、一歩を踏み出せないでいるのはもったいないと思います。
やってみて、その結果を見ながら改善していく。いわゆるPDCAサイクルを回していくことが大切だと思います。もちろん基本的な数値は追いかけながらも、そこにプラスして柔軟な思考で、『完成しないもの』だと思って取り組むのが良いんじゃないでしょうか。目的や求める成果も、やりながら少しずつ変わってくることもありますので。
—完璧にこだわらず、柔軟な発想と行動力で推進していくダイイチ様のお話、とても参考になりました。マーケティング部としての新しい挑戦を見るのが楽しみです。私たちも引き続き全力でサポートさせていただきます。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!
柳下様:こちらこそありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。
インタビューを終えて
創業70年以上の歴史を活かしつつ、新しいプロジェクトやデジタル活用に柔軟に挑戦されている株式会社ダイイチ。長年培った品質へのこだわりと、攻めのマーケティング視点を両立する姿勢がとても印象的でした。
これからもマーケティング部を中心に、オンライン・オフライン双方で多彩な施策を展開されるそうです。さらに充実したコンテンツが公開されていくのが楽しみです。