Web制作においてWebディレクターほど職務範囲が広い仕事は他にありません。
カネとヒトを動かす仕事なので、制作会社の社長はWebディレクターからが多いです。
この記事は下記の方に向けて書いています。
- Webディレクターになりたいデザイナー又はエンジニア
- 未経験だけどWebディレクターに興味のある方
- もっと稼げるスキルを身につけたいディレクター
他には、フリーランスだって自分でディレクションするので該当するかと。
このような悩みを日本とフィリピンでWebディレクションしてた自分が解決しますね。
僕はデザインもコーディングもしてますが、社内での肩書きはWebディレクターです。
くわえて副業もしているので常にディレクション業務はつきまといます。
そんな兼業Webディレクターとしてキャリアが長い僕が、リアルなWebディレクターの仕事についてと、必要とされるスキルを語ります。
長くなるので、結論から先にいうと以下のとおりです。
- 結論を先に言うと
- デザイナー・エンジニアからの転向は有利
- 最低限サーバーの知識は知っとくべき
- スキルを掛け合わせると年収アップ
Webディレクターについての記事は他にもありますが、実名顔出しで説明しているサイトは珍しいです。
あなたが今、収入が上がらない、キャリアアップできていないと感じるなら、きっと”工夫の仕方を知らない”だけです。
経験を掛け合わせることで、あなたはユニークで稼げるWebディレクターになれます。
Webディレクターの仕事内容と必要なスキル
Web制作のトレンドは流れがとても早いです。
でもディレクターに求められるスキルはいつの時代も変わりません。
- プランニング
- 工数管理
- 見積作成
- 品質管理
- クライアント・協力会社コントロール
- というかデザインとマークアップ以外の全部
このように、Webディレクターの仕事内容は多岐にわたります。
Webサイトの制作や更新に関するプランニングから始まり、コーディング・写真や素材の制作の進行。
そして、システム開発などサイト制作に必要なチームの編成、スケジュール管理、予算管理、クオリティ管理にくわえて外部の協力会社探しなどなど、サイトのローンチに至るまでのすべての行程を指揮管理します。
理解できましたね??
要するに、デザインとマークアップ以外の全部ですね。
多スギテワロタ
戦略的指揮官であり雑用のスペシャリスト
上記の通りWebディレクターはWeb制作における雑用のスペシャリストといって過言ではありません。
Webディレクターがどこまで制作現場を先回りして、現場をまわすかによってアプトプットの質は大きく変わります。
そして、戦略的であるほどビジネスとしてうまく効果を発揮します。
責任も大きいので、Webディレクターはストレスと過労で、早死にするなんて業界内では言われたりもします。
ちょっと言いすぎかもですが、これからWebディレクターを目指すのであればとても責任が重いということは知っておいた方がいいです。
Webディレクターに求められるスキル
上記のようにWebサイト制作を完遂するにあたり、
- 調整力
- リーダーシップ
- 先回り力
- ビジネス視点
などなどあまりにもたくさんのスキルを求められます。
だけど、これらは実は社会人にとって当たり前のスキルですよね。
どんな仕事においてもベースのスキルには共通点があるということかもしれません。
大きく分けたWebディレクターのタイプ
僕はフィリピンで日本の案件を回すブリッジエンジニアと呼ばれる仕事をしていました。
そうです、ご存知のLIG.incで働いていた頃のことです。
作業内容は、日本で受けている仕事をフィリピン支社にいる僕が、現地のエンジニアたちに作業内容を説明し、品質管理や工数の管理をしながら自らもコーディングするというものです。
とてもディレクターの色が濃いエンジニアです。
Webディレクターをしている人にも大きく分けて二つのタイプがあります。
- 最初からディレクターとして仕事を始めた
- 知らず知らずのうちにディレクターもしていた
僕の場合はデザイナーとエンジニアの両方をしてたらディレクターの仕事もしていたタイプです。
このパターンは周りを見ても多いですね。
この2パターンを詳しくは説明しますね。
専業Webディレクター
Webディレクターを専業にしている人たちのことです。
最初からWebディレクターとして仕事をはじめた方は、分業がきっちりされている制作会社によくいるパターンです。
デザインの知識やエンジニアの知識がないぶん、企画をたくさん考えたり、もしくは仕事を獲得してくる営業タイプが多いですね。
まったくデザイン・コーディングが分からない未経験でもWebディレクターになる事は可能です。
ですが、Web以外でも必要な広告の知識や、マーケティングスキルのキャッチアップを怠ると、ずっと半人前のままです。
兼業Webディレクター
気がついたら、知らず知らずのうちにディレクターもしていたタイプです。
デザインとかエンジニアリングしていると自然と工数が読めるようになり、知らないうちに表に出るようになります。
そうやってお客さんとやりとりしたり、工数見積もりしてるうちにディレクターと呼ばれていたタイプ。
こちらの方が、ディレクターになるのに遠回りに見えますが、僕の意見は近道です。
その理由は先でお伝えします。
Webディレクターになる方法
Webディレクターに資格にはいらない
Webディレクターに資格は必要ありません。名乗ったその日からWebディレクターです。
Web制作の仕事全般に言えることですが、資格は必要ないし役に立ちません。
Web制作の検定があるという話は聞いたことがありますが、それが採用やスキルの判断に使われているという話は聞いたことがありません。
求人は東京都内に偏る
Webディレクターの求人数は東京都内が多いです。
なぜなら東京都内は大手の電通・博報堂をはじめとする広告代理店がおいしい仕事を牛耳っているからです。
代理店仕事は一つのプロジェクトに対して関わる人や時間が多いんです。
だから現場のディレクションを専業とするWebディレクターが必要となります。
逆に地方都市では、他の業務と兼業になる場合が多く、専業Webディレクターは少ないです。
デザイナー・エンジニアが兼業でWebディレクターをしている人が多いです。
あなたがもし新卒で専業のWebディレクターとして活躍したい、もしくはフリーランスのディレクターとして生きていきたいなら、都内で就職活動をするのがベストです。
- Web系求人サイト
- Moreworks:Web受託制作が多数
- GREEN:Web制作・サービス開発・広告代理店などの求人がある。
- CINRA Job:少数精鋭の会社多め
- マスメディアン:担当者がつく老舗転職エージェント
詳しくは過去にも求人サイトのまとめを書いているのでこちらをご覧ください。
未経験でもWebディレクターになれる
資格も必要ないので、未経験でもWebディレクターに転職する事は可能です。
ですが勘違いしてはいけません。その分ちゃんとスキルがないと誰も相手にしてはくれません。
未経験者はまずはエクセルで工数管理をしながら、デザイナーとエンジニアの工数を管理したり、クライアントにワイヤーフレーム(ページの設計図)を描くところからはじめることとなります。
Webディレクターの最低限の知識とは
作業内容がわかるディレクターの方が、進行や品質管理において有利なのは言うまでもありません。
手をうごかせなくても、どの様にWebサイトがつくられているかは最低限でも分かっておく必要はあります。
デバッグ(エラーをみつけたり原因をつきとめたりする作業)が上手なディレクターはほんとうに現場で貴重です。
また、自分の身を守るためにサーバーの知識は必須です。
デザインやマークアップなどの目に見える部分は、イメージがつきやすいので雰囲気でわかります。
でも、サーバー周りの知識は勉強しないとわからないし、知らないでは済まされないことが多く存在します。
なんて言ってもエンジニアにバカにされたりナメられるのは悔しいです。
結局クライアントに頭を下げなければいけなくなるのはディレクターだからです。
クライアントからすればどんなミスもディレクターの責任です。
だからこそ陣頭指揮をとるWebディレクターには権限と裁量を任されるのです。
Webディレクターの種類
その人の得意分野を活かしたディレクターも存在します。
ディレクターと他の分野の掛け合わせにより、ディレクターの上位職は次のように呼ばれます。
アートディレクター
デザイナーの上位職はアートディレクターです。
デザイン・情報設計・インタラクションにおけるクリエイティブにおいて責任をもちます。
課題解決に向けてデザインの方針を決め、ときに自らデザインします。
また、デザイナー経験が豊富なので、他のデザイナーに的確に指示を出すことも多いです。
デザインを言語化するスキルが必須なので、デザイナーの経験が豊富でないとなれません。
テクニカルディレクター
エンジニアの上位職はテクニカルディレクターです。
サーバサイドエンジニアやフロントエンドエンジニアからWebディレクターになる人のことを、テクニカルディレクターと呼びます。
テクニカルディレクターが活躍する場面は、大規模なサイトやサービスを構築する際です。
- フレームワークの選定
- サーバー構築やレンタルサーバーの選定
- リードエンジニアとしてコーディングチェック
サイト全体で使用するプログラム言語やフレームワークの選定を行いソースコードに責任を担います。
実装前から実装後の保守・運用までを考えることができます。
テクニカルディレクターは業界の中でも希少価値が高く、ディレクターの中でも年収は最高レベルです。
クリエイティブディレクター
こちらはディレクターの上位職です。
クリエイティブにおいて課題解決をすることに全責任を負います。
これは請け負った案件がビジネスとして戦略的に成功に導けたということに他なりません。
ディレクターが現場監督だとしたら、クリエイティブディレクターは総監督です。
デザイン会社や制作会社ではクリエイティブディレクターが代表や役員であることが多いです。
Webディレクターの年収
Webディレクターの年収は一般的に、Webデザイナーよりもやや高く、サーバーサイドエンジニアよりも安いといった感じです。
経験によってかなり幅がありますが、求人をみると300〜700万までが多いようです。
こうやってみるとWebデザイナーからの転職・転向が多いのはうなずけます。
デザインの修正・マークアップなどの後ろの工程との調整を理解しているので、デザイナーの経験も活かせます。
年収アップするにはフリーランスも有りです
スキルに自信があるなら、エージェントに登録してみるのもおすすめです。
無料だし登録すれば、担当者がつきあなたの適正年収を教えてくれるし、会社も紹介してくれます。
エージェントはいくつかありますが、だいたいどこもやってることは同じなので、この3つに登録しておけばいいです。
こういうエージェントを利用する時のコツというかマインドですが、
『いい仕事、ありますか?ちょーだいちょーだい』って受け身の人はダメですね。
何しても後悔をしてます。
”お前らみんな都合いいように利用してやるんだ。ククク・・”
ぐらいじゃないとダメです。
エージェントなんて利用するからこそ価値があるんです。
実は僕もレバテックフリーランスを利用して転職活動をしたことがあります。
自分の適正年収を、手っ取り早く知るには最短の手段です。
フリーランスを考えている方は、過去のこちらの記事が参考になります。
年収が高いWebディレクターの共通点
優秀なWebディレクターとは
優秀なWebディレクターになるために一番大切なのは、社内と社外のパワーバランスを均等にさせることです。
これは具体的にいうと、クライアントのいうことばかり聞いていては、デザイナーとエンジニアの作業量は増えるばかり。
逆に社内の都合で仕事をしていては、クライアントは満足しません。
双方から板挟みになりながらも、しなやかに制作現場を盛り上げて、やわらげて、いいアウトプットができるのが優秀なディレクターです。
そして決して忘れてはならないのは、なによりもエンドユーザー目線です。
Webディレクターは最初のエンドユーザーであることを忘れてないけません。
スキルの掛け合わせで高収入を狙う
また、年収が高いディレクターの共通点は、得意分野のスキルをディレクションスキルと掛け合わせていることです。
先ほどの項目の通り、アートディレクターやテクニカルディレクターやクリエイティブディレクターのように隣り合う職種に精通していることが条件となります。
一長一短になれる仕事ではなく、肩書きを背負うのに既定のルールはありません。
ですが、その肩書きには重さがあります。
社外や得意先を含めて自他共に認めているかだけが、名乗ってもいいかの判断材料となるでしょう。
年収が高いWebディレクターになる勉強方法
デザイン経営を理解したプランニング
経済産業省が5月に出した“デザイン経営”宣言ではビジネスにおける広義のデザインの重要性について語られています。
デザイナーというよりもデザイン思考が出来る人材の価値が高まっています。
デザイン思考とは、デザインに必要な考え方と手法を利用して、ビジネス上の問題を解決する方法のこと。
デザイナーじゃない人のためのデザイン本を紹介します。
どちらも超有名な本なので、買って損はありません。
デザインを言語化するのに、大切なことが体系的に説明されています。
こちらもベストセラー・オブ・ベストセラーです。
サーバーの知識を勉強する
サーバーサイドエンジニアに指示ができるようになれると、クライアントも安心だし、社内のエンジニアも幸せです。
とはいえ、サーバーの知識はエンジニアに聞いたくらいでは理解できません。
まずはYoutubeを検索して、サーバーの説明をしている動画を見ましょう。
その次のステップは自分で手をうごかしましょう。その方が理解が深まります。
- TechAcademy:プログラミングに特化したオンライン学習教材
- Tech Boost:3ヶ月間のプログラミングスクール
ここで自己投資をケチってしまうと長期的にみると損です。
独学は時間がかかかるし理解を深めるためには手を動かすべきです。
できるものは時短しましょう。
市場分析とSNSマーケティング
市場分析とSNSマーケティングの知識は、今やマーケッターだけではなくWebディレクターにも当たり前に求められます。
ここは僕的にも一番勉強中のところです。
そんな僕が実際につかっているのは、twitterのトレンドリサーチやフォロワーの動向チェックサービスのSocialDogです。
- SocialDog:無料でトレンド調査や自分のアカウントのフォロワーの動向がわかる
過去にWeb制作の参考になるブログのまとめを書いています。
よかったら参考にしてください。
まとめ
WebディレクターもほかのWeb制作の職人と同様に、トレンドについていくのが、とても大変だということをわかってもらえたかと思います。
Webディレクターに求められる仕事はきっと変わっていくこととでしょう。
これからもっと経営に関わっていけるチャンスが増えています。
デザイナーやエンジニア出身の経営者がもっともっと増えるようにぼくはWebディレクターを応援しています!!!
ほなね